発熱、喉の痛み、鼻水、咳
いわゆる風邪症状ですが、その8割はウイルス性の感染であり、特効薬と言われる根本的な治療薬はありませんので、対処療法となります。(インフルエンザ、新型コロナウイルス等治療薬がある疾患は除く。)
しかしその一部は、細菌性の感染で抗菌薬での治療が必要となったり、症状が強い場合にはしっかりと診断をつけておくことが必要となる病気もあります。
喉の痛みが強い・鼻水の症状が強い・咳が強い・発熱が長引く場合
喉の痛みが強い場合には「扁桃炎」「喉頭蓋炎」、鼻水の症状が強い場合には「副鼻腔炎」、咳が強い場合には「気管支炎や肺炎」、発熱が長引く場合には「伝染性単核球症」もしくはその他感染症以外の病気を疑う必要があります。
2週間以上続く鼻水や咳、湿疹や蕁麻疹
倦怠感がそれほど強くはないものの、透明のサラサラした鼻水やくしゃみ、咳が長引く場合には、「アレルギー」による症状を疑います。
アレルギー性の場合には、対処療法としての薬のみでなく、抗アレルギー薬の内服が必要になります。また、長引いたり、繰り返す場合には、原因となるアレルゲン(アレルギーの原因となっている物質)を特定することが治療に有効な場合もあります。
気管支喘息の可能性がある場合
夜間に寝苦しいくらいの咳が続く場合や、息苦しさを感じる場合には、「気管支喘息」の可能性があります。夜間の発作が続く場合には急激に増悪して呼吸困難に発展する可能性もありますので、なるべく早い段階でしっかりと治療する必要があります。直接気管支に薬を吸入して入れるタイプの吸入薬を使用しないと改善しないことが多いですし、中にはステロイドの内服や点滴を必要とすることもあります。
また、症状が改善しても、数ヶ月以上かけて治療を終了しないとすぐに再発することが多いので、良くなったと思っても自己判断で治療を中断しないことも重要です。
長引く湿疹や蕁麻疹
出ている場合
長引く湿疹や蕁麻疹は、特定の原因によるものではなく、複数の要因が重なって起きているアレルギー反応のことが多く、外用薬(塗り薬)だけでは治療が上手くいかないことがあります。
また、内服薬も1種類では改善が乏しく、複数の薬を段階的に調整して治療する必要がある場合もあります。そして、治療期間をかけること自体が完治を目指す上で必要になる場合もありますので、根気よく治療に向き合う必要があります。
めまい、頭痛
めまいと一言に言っても、原因は耳、頭、心臓、神経や血管など原因は多岐に渡ります。
一般的に、「目の前が急に黒/白くなるようなめまい(失神性めまい)」、「歩いているとふわふわするようなめまい(浮動性めまい)」、「天井が回転するようなめまい(回転性めまい)」などがあります。
失神性めまい
失神性めまいは血圧の低下が原因となること多いですが、さらに血圧低下を起こす原因は多岐に渡ります。「貧血」「起立性低血圧」「神経調節性失神」「迷走神経反射」「頸動脈狭窄」「アダムスストークス発作(心臓が原因となる失神、不整脈や心筋症、大動脈弁狭窄)」「一過性脳虚血発作」「脳梗塞」などを鑑別する必要があります。
問診、診察、血液検査や心電図などの検査である程度鑑別することが可能ですので、このような症状がある場合には、ご相談ください。
浮動性めまい
浮動性めまいの多くは体調不良に伴うことが多いですが、症状によっては「一過性脳虚血発作」「慢性頭痛(偏頭痛や緊張型頭痛)」、下記に記載する「内耳性めまい」を鑑別する必要があります。
特に頭痛や吐き気を伴う場合には、必ず頭蓋内疾患(頭蓋内腫瘍や脳出血などの緊急な病気)を頭部M R Iで鑑別する必要があります。
回転性めまい
回転性めまいの多くは内耳性めまいと言って、耳の平衡感覚などを司る組織の不具合によることが多いです。当院でも初療を行うことができますが、「持続する場合や、悪くなっていく場合には」耳鼻科での精査加療をおすすめします。
健康診断で異常な項目を
指摘された
医療が発展している現代においても、心臓や脳は命に直結する臓器であり、厳格な治療が必要です。そして、心臓や脳の血管障害(心筋梗塞や脳梗塞)の原因となる病気が、高血圧、脂質異常症、高尿酸血漿、糖尿病なのです。
これらの病気はいずれもほぼ無症状であり、患者さんにとっては治療をする意義を感じないかもしれません。しかし、これらの病気を治療せずに放置していると、命に関わる心筋梗塞や心不全になって緊急入院が必要になります。
早い段階から治療に取り組むことで
重症な病気に発展することを防ぎましょう
健康診断で、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症、糖尿病を疑う異常を指摘された場合や、心電図検査や頚動脈エコー検査で異常を指摘された場合には、症状がないうちに状態を調べて治療の必要性を検討し、早い段階から治療に取り組むことで重症な病気に発展することを防ぐことができます。